2010年11月22日

東福寺へ先がけ紅葉狩り−通天橋

先を急ごうといっても時間制限があるわけではないし、何か予定があるわけでも
ない。
門を入るといきなり通天橋の入場券売り場だ。
ということは横から入ったという事になる。どこから入っても行くところは同じ
なので並んでチケットを買う。それなりの人がいるのだ。もう閑散期とは言えない。
「もう紅葉してるやんか」
列の後ろについて橋を渡る。
「きれいやね」
予想に反して既に紅葉が始まっている。満開とはいかないが、それなりに美しく
て風情がある。
見るのは簡単だが写真をとるのは難しい。良い場所にきたら、誰かの肩越しに
撮るか順番を待つのだ。といっても多分一番いい場所は空中だろう。
そうなると、部分部分をおぼえておいて画に描くしかない。
勿論、鉄斎の画もそういう視点で描かれている。
通天橋を挟んで、橋は3本ある。
下は臥雲橋、上は偃月橋だ。この間を小川が縫って流れている。これに沿って
山の斜面一面に紅葉があるのが本来の姿のようだ。
渡りきると東福僧堂、開山堂を見学するというしかけになっている。
それでどこからでも外に出られるが、「出たら入れませんよ」とチケット売り場
で念を押されている。
下に回って臥雲橋をわたりながらもう一度紅葉を見上げて、本堂に戻った。
画には杜牧の詩を一首添えておこう
山行
遠上寒山石径斜
白雲生処有人家
停車坐愛楓林晩
霜葉紅於二月花

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2010年11月21日

東福寺へ先がけ紅葉狩り−雪舟寺

まっすぐ境内に入って行こうとして、ちらっと右をみたら、「雪舟寺」と書いた
寺があった。
「雪舟やったら見逃せん」と中に入った。
門を入って植え込みを抜け、玄関に立つと奥からすっと人がでてきた。
センサーでピンポンと音が鳴るわけではないし、テレビカメラがあるわけでもない
「何でわかるんやろ?」
「雪舟の画はありますか?」金を払う前にしつこく確認する。
「画はないけど、雪舟が京に来るたびに滞在したお気に入りの寺だったんです」
なんとなくよさがだから入ってみよう。
「ここはいい」
中国に庭のようではないのは当然だが、先日見た児島の野崎家の庭のように、
「ありすぎ」ではない。
簡潔ではあるが美しい。借景も良く考えられている。
「雪舟が好んだのも無理ないわ」
書院や茶室も手入れが行き届いていて、さりげなくお金がかかっている。
襖絵に水墨があって、雪舟ではないが、ほどよく寂びた画がよく似合っていた。
東福寺を全部ではないがそれなりに見終わっての感想では、
「結局雪舟寺が一番よかったね」
ということだったが、この時点ではまだ先がある。
「本体を見にいかなくては」
先を急ごう。

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2010年11月20日

東福寺へ先がけ紅葉狩り−山門へ

最近古本屋で富岡鉄斎の画集を手に入れた。大好きな作家なのでじっくり
見ている。その中で、東福寺の通天橋を描いた画を見つけた。
「こんな画描いてみたいな」と思った。
それなら一度見ておかないといけない。
しかし、紅葉の見頃になると押すな押すなの満員になるらしい。
「今頃やったら、多分人はすくないやろ」との期待で行く事にした。
初めてで場所がよくわからないからナビが頼りだ。最近は地図をじっくり検討
したり、プリントアウトして準備するような面倒な事ができなくなった。
「もうすぐそこやで」ナビの地図でもわかるし、山の下に大伽藍らしきものも
見えてきた。踏切を渡って左に曲がる、一方通行だ。
「駐車場はありません」という看板がちらっと見えた。
が、頭の中は、いつものように有名なとこには大駐車場があるという安易な
思い込みがある。
山に平行に一方通行の車道が通っていて、道から右に曲がれば東福寺だ。
要所要所に警備員がいて交通整理をしているが、駐車場はないよと手を
振っている。「ないよ」といわれてもどうすればいいんだ。
後ろの車から圧力をかけられるままに前に進むしかない。
横目でコインパーキングを探しつつ行くが、たまたま見つかってもすでに満車だ。
ずるずると参拝エリアをかなりはずれた寂しいところまで来てしまった。
一方通行のままだとどうにもならん。「ままよ」と右に曲ってみた。
「あった」車三台のちいさなコインパーキングだ。小さくても1台分だけ空いて
いればいい。
そこから、20分ほど歩きながら電車の駅を横目に見る。
「ここは電車で来なあかんわ」と今わかった。
それでやっと山門に到着。
かなりの人がいる。

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2010年11月19日

いいちこスペシャル

酒が切れかけている。何か補充しないとけない。ビールの季節も終わりだ。
焼酎でも買うか。
ちょうどテレビでご当地の名産品を自慢しながら紹介するような番組をたまたま
見ていた。
大分の話で、そうなると麦焼酎、「いいちこ」となる。
安くて庶民の味方の良い酒だ。よく居酒屋でお世話になっている。
すると、いいちこには何種類もあって、「いいちこスペシャル」という素晴らしい
のがあると言っている。
特製の樽で長期熟成させていて、度数も普通のよりは高いという。
そういう事なら是非共飲んでみないといけないといきり立った。
という程ではないが適度に興奮しながら、酒をおいている近所のスーパーに向かった。
「ない」
いいちこはいろいろ並んでいるが、スペシャルはないのだ。
「ならば」とちょっと遠い酒の安売り店に向かった。
「ない」
かなり焦ってきた。
「プレミアもんのはずはないけどなあ」
4軒目でやっと見つけた。
「なるほどボトルも名前なりになかなか高級感がある」
肝心の味はどうだ。
「おいしい」
芳醇な味わいだ。度数もちょっとだけ高いから、そのまま飲むのによい。
氷でわってもいける。
焼酎らしい癖は殆どないので個性の強いのが好きな人は不満かもしれないが
「うまかったら、何でもええんやで」と思っている人間には満足だ。
次は、「ふらすこ」なるものを試してみないといけない。
酒飲むネタはつきないものだ。

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毎週金曜は酒や茶に関する話です。
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2010年11月18日

映画、「セラフィーヌの庭」

ごく普通のおばさん。修道院で働く信仰心の篤い家政婦さんだ。
その人の憩いの場所は村にある森だ。
毎日森にいって、木や花や森の精霊と話をしている。
そういう日々のなかでいつしか森の精霊が、セラフィーヌに画を描けというのだ。
貧しい家政婦の暮らしで、絵具やキャンバスを買えるはずもない。
それでもいろいろくふうしながら画材を整えるのだ。
勿論、画は木や花やそれに宿る森の精霊だ。
それが、ある日、村に逗留していたドイツ人の画商、ウーデの目にとまる。
ウーデは、ピカソやルソーを有名にした人らしい。
原始的な心の躍動を画の中に見てとるひとだったのだろう。
映画の中でも、アンリ・ルソーの画が登場していた。
そして売れ始めた。
お金が入ると色々な事が起こる。
でも、それでいいじゃないのだろうか。
自分の画が金になったのだから好きに使えばいい。
彼女が幸福だったかどうかはわからないが、画は素晴らしい。
大好きな木や花や森の精霊から力を貰って描いているというのがよくわかる。
力強くて暖かい画だ。
この世ならぬものに導かれてひたすら画を描く暮らしができたというのは素晴らしい。
油彩と水墨の違いはあるが、画を学ぶものとしては、大きな元気をもらうことが
できた。

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毎週木曜は映画、音楽、書画に関する話です。
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2010年11月17日

あっさり塩ラーメン、小洞天

心斎橋近くでちょっと用があって、他の用をすませたらまだ時間が早すぎた。
どうしよう。みんなと合流したら簡単な飯をくいそうだが、本格的ではないだろう。
それに今時点でかなり腹が減っている。
時間つぶしを兼ねて簡単にラーメンでも食っておこうか。
と考えた。
油断大敵だ。こういう細かい油断の積み重ねが肥えるもとなのだ。
気をつけないといけないが、今日ぐらいええか。
ちっともええことないが、どこに行こう。
トマトラーメンの支店はつぶれてしもたみたいやし、
そうこうするうちに月光仮面の前を通った。
表通りに出て大きく新しくなっている。「これはやめとこ」
「そや、久しぶりに小洞天に行って見よう」
あっさり味の塩ラーメンを食べたくなった。
私の大好きな、裏通りのさらに路地を入ったところにある。
開店したばかりの時間帯なのにもう人が入っている。

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「塩ラーメン下さい」
横を見ると、おいしそうに餃子を食べている。
餃子を食べると多すぎるかな。悩むなあ、でもうまそうやな。
ええい食ってしまえ。
「餃子も下さい」
結局いってしまった。
ここのラーメン、実にわかりやすい。
ネギとチャーシューともやし。それにあっさり塩味のスープだ。
それが実にうまいのだ。麺の茹で方もいい。
特に飲んだ後には最高だ。
餃子も小振りでジューシーで熱々でとてもうまい。

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やっぱり食べ過ぎだ。

店名 小洞天
ジャンル ラーメン
住所 大阪市中央区千日前1-6-10 千寿ビル 1F
電話 06-6213-1623
営業時間 18:00〜翌2:50
定休日 日曜日・祭日
メニュー 日本語
言語 日本語

毎週水曜は食に関する話です。
ラベル:B級グルメ
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2010年11月16日

最近夢中で読んだ本の話、立松和平、佐野眞一

立松和平、「道元禅師ー上」
先日、中国の人達を案内して福井から金沢まで行ったので、永平寺の事が頭に
残っていた。それでこの本を見つけた時すぐに読んで見る気になったのだ。
道元禅師というのは、永平寺を開いた人、正法眼蔵を表した人という漠然とした
記憶しかなかったが、最近興味深く読んでいる西行や実朝、定家などとほぼ同時代
の人であった。それに京都でもよく訪れる建仁寺とも深いかかわりがある人だと
わかって俄かに身近な人になってきた。
名家の跡取りに生まれ、天下を取る相を持ちながら、仏道に入り、比叡山に登って
道を究めようとする。しかし、本当の悟りは得られない。
正法を求めて山をおり、建仁寺の禅で修業するが迷いはとけない。ならば
真の正法を得るには宋に渡るしかないととうとう海を渡ってしまったのだ。
空海にしろ道元にしろすごいのは尽きる事のない仏教の求道の精神とそこからくる
博学に加えて宋にいくなら宋の言葉を徹底的に勉強している事だ。
いくら想いが溢れていても言葉が通じなければ何もできない。
そしてとうとう真の師たる人に巡り合う。
さて、どんな悟りを開くのであろう。
そして、いつ日本に帰る。日本に帰って何をする。
まあ、実際はわかっている事だけど、立松和平の饒舌は冒険物語のように読者を
運んでくれる。

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佐野眞一、「上海時間旅行ー蘇る”オールド上海”の記憶
題名に惹かれて読んでしまった。
今まで上海からみで読んだ人達が一気に網羅されて出て来る、出て来る。
横光利一、金子光晴、里見甫、内山完造、魯迅、李香蘭、川島芳子・・・・
断片の知識の総集編みたいで、楽しい。
実に様々な人達が上海の妖しい魔力にとりつかれ、ここを舞台に命を燃やしたのだ。
「オールド上海」、「魔都上海」などと言葉は心踊るが、
いまも昔も、儚く危うい、まやかしの大都会なのかもしれない。
えらい人も普通の人も、金持ちも貧乏人も、賢い人も馬鹿な人も、一度行ったら
とりつかれないように気をつけないとあきませんよ。

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毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。
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2010年11月15日

桃太郎ジーンズ

さて、ジーンズを買ってきたからには、まず洗った方がいいだろう。
天然藍染めだからまずは最初の藍を洗い落しておかないといけない。
それに、織布にのりがついているからそれも落として柔らかくしたい。
なによりもちょっとでも洗う回数を増やして色落ちを楽しみたい。
洗い方のレシピも貰って来た。
洗濯機で洗っていいが、洗剤は添加物を使用しない中性洗剤がいいと書いてある。
しかし、汚れてるわけではないから水でいいだろう。
ファスナーやボタンを全部止めて、裏返して洗うそうだ。
その通り全部やった。あとは陰干しだ。十分日陰で干したらアイロンをかけて
完成だ。
それで何かに化けるわけではない。ジーパンはジーパンだ。
「なかなかええ色やないか」
「ええ味してるで」
ほくそ笑むのは自分だけだ。
早速はいて、外に行っても、「○○さん、ええのはいてますなあ」と言ってくれる
人がいるわけはない。
完全に自己満足の世界だ。
それはそれでいいのだ。
それで、何度も洗って色落ちすればするほど、本藍は明るい色になっていくという。
こういう風に使えば使うほど味がでるというものがあって、それを使い込んで行くと
いうのは楽しいものだ。
それに本藍、それも日本独自のつくもを使った藍染めとインディゴ染めがはっきりと
どうちがうのか身を持ってわかってみたいのだ。
そうして、「時間をかけて使い込む」とか「味がある」、「味がでる」
そう言う言葉が意味する文化を大事にしたいものだ。
ジーパンでなければならないことはないが、これも遊びの一つ。

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毎週月曜はこだわりのモノの話です。
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2010年11月14日

桃太郎ジーンズの倉敷、児島へーさあ帰ろう

野崎邸を出る頃にはそろそろ夕陽時分になっていた。今日は風が強い。
せっかくここまで戻ったからにはもういちど桃太郎ジーンズの店を見て行こう。
「やっぱり「すくも」を使って手染めをした藍染め品はええわ」
「色の深さがぜんぜんちゃうわ」
改めて感動した。
しかし、ばんばん買いまくるほどお金はない。
たまたま布地を売っていたのでそれを買って帰った。中国でよく買ってくる
布地とは全然違う。
財布は軽くなったが心は暖かくなって、駅に向かった。
またもやラッキーだ。5分後に電車がくる。時間はたっぷりあるので、こんなに
効率よく動く必要はないのだが、必要がないときに使ってしまうのが運という
やつだ。
もう岡山駅についてしまった。一旦バスターミナルに行って様子を見よう。
「寒い」
だめとわかりつつも、「時間変更できますか?」と聞いて見た。
「一旦払い戻して、買い直しですね」と言われた。やっぱりだ。それだと早割で
買った意味がない。

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どうせ帰りは遅くなるから、何か食べようと駅の周辺をうろつくが、晩ご飯タイム
には時間が早すぎるし、事前調査もしてなかったのでいいとこが見つからない。
「しかたない駅で食おう」うどん屋を見つけた。讃岐の向かい側やからおいしいかも
と思いつつ、アナゴ天うどんをたのんだ。
讃岐に比べるべくもないがうどんはまあまあだ。天麩羅はちょっと・・。

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それから、本をたっぷりよんで、それでバスが来た。
帰りも順調。帰りのコースは来た時とはまた違う。時間帯によって迂回路を使い
わけているのだろう。今度は予定より早く着いた。

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倉敷、児島バスの旅の話、おしまい。
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2010年11月13日

桃太郎ジーンズの倉敷、児島へー野崎家の庭にもどる

さて建物を一周したら今度は庭に戻る。
と言っても実際に建物を見て、庭を見てと2度回ったわけではない。
それはこちらの話の都合上2度に分けただけのことだ。本当に2度も回ったら
疲れるだけだ。
ところで、「さざれ石」って知ってるだろうか?
誰でも知ってるあの有名な歌にでてくるやつだ。
「・・・・さざれ石の巌となりて・・・」というくだりがある。
私はあれをてっきりものの譬えと思っていた。何かの話にでてくる架空の
ようなさざれ石が巌になってしまうほどの年月を・・というような感じかな
と漠然と思いこんでいたのだ。玄関を入ると、「さざれ石」と札が立っている
ではないか。
「えっ、ほんまにあるんか?」と驚いた次第だ。
こいつが岩になったやつか。

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そっから先は広大な庭だ。掛けれるだけ金をかけたという感じだ。
様々な銘石があり、様々な銘木がある。手入れもいい。
東屋もあれば茶室もある。
ないものはないほどだ。
それで思った。画を習っているとよく老師に言われる。
「あなたのは描き過ぎですよ」
必要なものが足りなくて、必要でない物がおおすぎるのだ。
この庭もそんな感じ。
なんでもあればいいというものではない。
ぎりぎり必要最小限でまとめる感性が大事なのだ。

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旧家の庭も満腹満腹。
posted by さかな at 00:00| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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